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荻原 徳男; 金澤 謙一郎; 猪原 崇*; 和田 薫*
Vacuum, 84(5), p.718 - 722, 2009/12
被引用回数:7 パーセンタイル:30.19(Materials Science, Multidisciplinary)ターボ分子ポンプ(TMP)は、核融合及び加速器等の分野でも広く用いられている。ここで問題となるのは、準定常的にかかる磁場の影響である。そこで、最初に、この磁場のTMPに与える影響を、(1)ローター回転軸に平行な磁場の場合と、(2)直交する磁場の場合にわけて調べた。平行な磁場による影響はなく、磁場のない場合と変わらないのに対して、直交磁場の場合にはローター駆動電力の増大及びローター温度の上昇が観測された。これは、渦電流損によるもので、その磁場依存性は、以下のとおりである。(a)磁場強度の2乗に比例して渦電流損は増加する。(b)ローター回転数に対する依存性は、回転数が高くなると回転数の1/2乗に比例して渦電流損は増加する。これらの特性は、簡単な渦電流のモデルにより説明される。
荻原 徳男; 金正 倫計; 神谷 潤一郎; 山本 風海; 吉本 政弘; 引地 裕輔; 金澤 謙一郎; 三尾 圭吾; 瀧山 陽一; 菅沼 和明; et al.
Vacuum, 84(5), p.723 - 728, 2009/12
被引用回数:7 パーセンタイル:30.19(Materials Science, Multidisciplinary)3GeV RCSの真空システムを設計するにあたっては、(1)保守時の放射線被爆を最小にすること、また、(2)圧力不安定性を引き起こさないように、ビーム運転中に超高真空を維持することが要求される。このため、イオン誘起脱離によるガス放出の抑制のみならず、ビーム運転中の効率良い排気を考慮したシステムの設計がなされた。具体的には、イオンポンプのみならずターボ分子ポンプを用いた排気を採用した。また、徹底したガス放出の低減対策を施した。さらに、3GeV RCSの特徴である25Hz, 1MW運転から要請される各種機器の開発を行った。その結果として、本真空システムは、現在、200kW運転に至るまで、良好な真空状態を維持している。
山本 風海; 神谷 潤一郎; 荻原 徳男; 金正 倫計; 林 直樹; 佐伯 理生二; 佐藤 健一郎*; 外山 毅*
Applied Surface Science, 256(4), p.958 - 961, 2009/11
被引用回数:2 パーセンタイル:11.75(Chemistry, Physical)J-PARC計画3GeVシンクロトロンは、1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで50GeVシンクロトロンと物質生命科学実験施設に供給することを目的に建設され、ビーム試験が行われている。このような大強度の加速器では、ビームによって誘起された二次電子がビームに影響を与えることが想定される。本研究では、加速器に使用している真空容器内壁からの二次電子放出量を測定し、実際のビームロスの状況から加速器内における二次電子の影響の評価を行う。
江坂 文孝; 山本 博之; 笹瀬 雅人*; 間柄 正明; 篠原 伸夫
no journal, ,
本研究では、放射光からの高エネルギーX線を励起源とした光電子分光法により、ステンレス鋼の酸化表面層の非破壊深さ方向分析を行った。大気中200C酸化では、表面に鉄酸化層の形成が確認され、600C以上の酸化ではクロム酸化層の最表面での形成が支配的となった。400800C酸化では、深さ方向での化学状態の顕著な変化は見られなかった。以上の結果より、放射光を用いた光電子分光法が物質の深さ方向分析に有力な手段であることが示された。
神谷 潤一郎; 山本 風海; 荻原 徳男; 金正 倫計
no journal, ,
J-PARC RCSは3GeVビームの加速,取り出しに成功し、順調にそのビーム強度を上げていっている。ビームパワーを増強するうえで、RCSの真空性能は重要な鍵となる。特に出射用キッカー電磁石は、放電を防ぐために真空中に設置されているため、キッカーに用いている材料の真空特性は非常に重要である。われわれは、これまでキッカー材料からのアウトガスを減らす処理を研究し、実機に生かしてきた。今回はさらに、ビームに起因する荷電粒子と表面との相互作用に着目した。特に、材料表面からの2次電子放出は、ビーム不安定の原因となる電子雲の原因となるため、調査に値する。そのため、キッカー材料である、フェライト及びアルミ材料について2次電子放出係数を系統的に測定したので報告する。
本田 充紀; 関口 哲弘; 馬場 祐治; 下山 巖; 平尾 法恵; 成田 あゆみ
no journal, ,
近年金とイオウの結合をアンカーとして利用した機能性薄膜創製の応用は、バイオセンサーへ向けた応用などで注目を浴びている。われわれは現在このアンカーを利用したアミノ酸単分子膜による電気化学バイオセンサーへ向けたテンプレートの開発を行っている。その中で今回金-イオウ界面とは異なり、導電性酸化物の代表でありデバイスなどでも広く用いられている基板のITO(Indium Tin Oxide)表面上で、システイン分子薄膜の表面第一層が高い分子配向性を示すことを明らかにしたので報告する。
平尾 法恵; 馬場 祐治; 関口 哲弘; 下山 巖; 本田 充紀; 成田 あゆみ
no journal, ,
SIO(Silicon-on-insulator)など半導体素子の電気的特性は、Si-SiO界面におけるSiの化学結合状態(原子価状態)に依存する。そこで、放射光軟X線と光電子顕微鏡を組合せることにより、固体表面における原子価状態をナノスケールで画像観察する装置を開発し、同装置を用いて、イオン注入で作成したSi-SiO界面の化学結合状態解析に応用するとともに、加熱に伴うSi-SiO界面の表面拡散の画想観察を行った。その結果、縦方向の拡散に比べ、(1)拡散温度が300Cほど低い、(2)拡散中の界面にSiO(Si)などの中間の化学状態が存在しない、などの結果が得られた。これらの理由は、SiOが揮発性であるため、拡散過程において表面から脱離するためであると結論した。
寺岡 有殿; 吉越 章隆; Harries, J.
no journal, ,
水素の熱脱離と皮膜の化学結合状態,その熱的不安定性、さらに、人工酸化膜の相関が多結晶バナジウムに対して高輝度・高分解能放射光光電子分光によって研究された。超音速酸素分子線が人工酸化膜形成に使われた。自然酸化膜のO1s光電子スペクトルは少なくとも二つの成分から成り立つ。低結合エネルギー側成分がバルク敏感で他方が表面敏感であった。バルクからのV2p光電子ピークが795eVの光子エネルギー以上で観察されたことから、自然酸化膜の厚さは少なくとも3nmである。873Kのフラッシュ加熱でO1sとバナジウム酸化物のピークは消失した。その清浄表面に0.48eVと2.3eVの超音速酸素分子線を照射した。どちらの場合も同様の酸化物が生成した。しかし、厚さは自然酸化膜より薄かった。人工酸化膜は自然酸化膜と同様の加熱方法で除去することができた。
阿部 浩之; 森本 亮*; 内田 裕久*; 大島 武
no journal, ,
われわれはこれまでに、水素吸蔵材料(Pd)について、イオン照射により欠陥導入させることで表面が改質し、水素吸蔵能の向上が見込まれることを見いだしている。本研究では、表面状態に関する知見を得るため、仕事関数測定により表面の電子状態を調べた。イオン照射Pdの水素吸蔵効果を仕事関数測定と水素吸蔵測定,表面欠陥状態と水素吸蔵能の相関について調べた。Nイオン,Crイオン,Agイオン照射(エネルギー:keV級,MeV級,ドーズ量:10-10cm)を行ったPdの水素吸蔵初期反応速度を調べたところ、未照射Pdに比べ速くなることを確認した。また仕事関数測定では、エネルギー,ドーズ量の増加に伴い、仕事関数値が負側へシフトしていくことが判明した。このことは、イオン照射により表面電子状態が不安定になったことを意味しており、その結果、電子交換が容易になり、水素原子が取り込みやすくなったため、水素吸蔵初期反応速度が向上したと考えられる。
大貫 駿*; 阿部 浩之; 松村 義人*; 内田 裕久*
no journal, ,
水素吸蔵合金はNi-MH電池の陰極材料等、広く利用されているが、さらなる性能向上のために、より高い水素吸収速度を持つ合金開発が要求されている。そこでわれわれはイオンビームにより水素吸蔵合金の水素吸収速度を改善することを試みてきた。本研究では、電子線照射及び、イオンビーム照射を行ったLa-Ni系水素吸蔵合金の水素吸収速度変化を測定した。試料としては、LaNiAl合金を使用し、JAEAの2MVコッククロフトウォルトン型電子線加速器及びTIARA(高崎イオン照射研究施設)の400kVイオン注入装置を利用し電子及びイオンを照射した。La-Ni系合金の照射と未照射の水素吸収速度をジーベルツ装置及び電気化学的実験装置を用いて測定した。その結果、電子及びイオン照射合金は未照射材料に比べ、水素吸収速度が数倍速くなり、水素吸蔵特性が改善することがわかった。
田川 雅人*; 横田 久美子*; 北村 晃*; 松本 康司*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 神田 一浩*; 新部 正人*
no journal, ,
本研究では水素化ダイヤモンドライクカーボンに超熱原子状酸素ビームを照射して、sp/sp比の変化をX線吸収端微細構造分光法で調べた。実験は、X線吸収端微細構造分光の測定を放射光施設ニュースバルのBL9で行い、また、ラザフォード後方散乱の実験を神戸大学で、さらに、放射光光電子分光の実験をSPring-8のBL23SUで行った。グラファイトに特徴的なsp成分が2eVの超熱原子状酸素ビームで選択的にエッチングされることがわかった。この結果は従来から知られているダイヤモンドよりグラファイトの方が宇宙空間で腐食しやすいという事実と整合する。
横田 久美子*; 田川 雅人*; 北村 晃*; 松本 康司*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿
no journal, ,
本研究では、ダイヤモンドライクカーボン膜中の水素の基本的な性質を調べるために、超熱エネルギーの原子状酸素ビームの照射効果を観察した。超熱原子状酸素ビームの照射,弾性反跳粒子分析,ラザフォード後方散乱分析は神戸大学で行った。酸素の衝突エネルギーが大きいほど深いところまで水素の脱離が起こることがわかった。結局、水素原子の方が炭素原子より脱離しやすいことがわかった。